正しい解き方を完全解説!
慶應義塾大学
の過去問分析

国内最難関の私大、慶応大学の過去問を掲載し、難問を正しく解くための思考方法を教授しています!一般の過去問サイトと違い、正解を導くための理論を理解することを重視しているので、受験勉強を見直す上で参考になること請け合いです♪(※2013年当時)

難易度の判定は、当サイト独自の基準によるもので、受験指導のプロである予備校や塾、学校などと異なることもあります。当サイトは受験のプロではないので、あくまで参考程度にとどめてください。

慶應義塾大学

~慶應義塾大学の入試問題難易度~

英語:

★★★★★+★

地歴:

★★★★☆

小論文:

★★★★★

慶應義塾大学の特徴といえば、国語が出題されないかわりに小論文が課されること。ただし、小論文とはいっても基本的に課題文を要約させて読解力を見たり、資料の情報をまとめさせて情報処理能力を見たりといった部分が含まれており、現代文の学力を評価する要素を残していますので、国語の学習は怠らないでください。また、小論文対策は確かに重要ですが、慶應義塾大学の入試では英語と地歴(学部によっては公民や数学も選択可)の合計点数が一定に基準に満たない場合、小論文を採点せずに不合格としているので、まずは英語と地歴の学力をしっかりと上げておくことが大切です。
英語に関してはとにかく読解量が多く、構文も複雑ですので、付け焼き刃の知識はいっさい通用しないと思ってください。語彙力のほかに構文把握力がついていないと、まったく内容を理解できない可能性もあります。以下に掲載している過去問と解説を読んで、解説内容が難しすぎると感じるのであれば、完全に構文把握、英文法の力不足。1から学習計画を立て直す必要があります。
地歴に関しては難易度こそ高いものの、それほど“こんなの知っているわけがない”という用語を問う問題は出ていません。重要な歴史用語について、どのような側面から問われても解答できるように知識を整理しておくことが大切です。
偏差値では63~65程度となっている慶應義塾大学ですが、受験勉強で身につけた短期的な学力よりも、もともとの頭の回転の良さを見ているのではないかと思われる出題も多く、1年あるいは2年近くをかけて教養を深め、どんな問題にも正攻法で勝負できる力を蓄えておかないと合格は難しいでしょう。

英語

次の英語を和訳しなさい

Since we construct vacations in terms of otherness, of getting away from it all, they make some facets of our everyday lives and tensions more visible.

解答&詳細解説をチェック

答:
(意訳例)
私たちは休暇を「別世界に行こう」とか「すべてから逃げだそう」という観点で計画する。だからこそ、休暇によって私たちの日頃の暮らし、日頃の緊張感がむしろ際立ってしまうのだ。

(直訳解答)
我々が休暇というものを別世界に行きたい、すべてから逃げだそう、という観点のもとで構成するからこそ、休暇は我々の日常における生活や緊張をいっそう際立たせてしまう。

【解説】

正直、現代文の文章として出てきても一読してだけでは文意を汲み取りづらいような内容。これを英語で読ませた上に「和訳せよ」というのですから、慶應義塾大学の要求レベルがどれほどのものか、良く分かります。赤本や過去問情報サイトには下段に書いた直訳解答に近い和訳が掲載されていますが、恐らく配点10点なら8~9点しかもらえないでしょう。上段に書いたように“日本語として意味が通る和訳”まで噛み砕いて、はじめて10点満点をもらえると思ってください。このレベルの英文和訳では、赤本などに掲載されている解答はそれほど完璧ではありません。
それでは、実際に英文を細かく見ていきましょう。難解な英文の場合、まずは全てのまとまりについて、文中での役割を1つ1つ分析していくことが大切です。

Since we construct vacations~,they make ~.
          S        V              O           S      V

以上の構成を見れば、2つの節が接続された文であることは明らか。よって文頭のSinceは前置詞ではなく従属接続詞であることが分かります。この文は従属接続詞Sinceによって、節が2つ繋げられているのです。
では、文頭だけを訳してみましょう。

Since we construct vacations =我々は休暇を構成する

休暇という概念そのものを構成する人はいませんし、そんな中身のない文を書く人もいないでしょうから“どんなふうに休暇を構成するの?”という疑問が出てくるはずです。論理的に考えて、続きの部分で“どんなふうに”の部分が説明されてしかるべきだと思いませんか?

in terms of otherness, of getting away from it all

そこで、続きの部分を読むわけです。in terms of(~の観点によって)という熟語が使われていますが、途中にカンマが打たれ、またofから始まるまとまりが続いています。カンマの前後に同じ構成の語群が存在する場合、カンマは等位接続詞andを簡略化したものである可能性が高いので、そのように解釈してみましょう。

                  of otherness
in terms <
                  of getting away from it all

2つのofから始まる句は、いずれも熟語in terms ofの一部として、並列の関係になっているわけです。そして共に“休暇をどんなふうに構成するか”を説明するための内容。
ですから、並列に訳すと「別世界、そして全てから逃げ去りたいという観点によって」という日本語になり、これが“休暇をどんなふうに構成するか”という部分を説明していることになります。
すると、ここまでの和訳が「我々は休暇を、別世界、そして全てから逃げ去るという観点によって構成する」となります。日本語として不自然な部分を訳が壊れない程度に修正すれば「我々は休暇を、別世界に行こう、全てから逃げ去ろう、という観点によって構成する」といったところでしょうか。
ここまでの節が従属接続詞Sinceに始まる従属節です。それでは、次に文の主節にあたる部位を解釈していきましょう。

, they make some facets ( of our everyday lives and tensions ) more visible.
     S      V                 O                                                                      C

主節は目的語と補語の間に長い前置詞句が入り込んでいるために見破りにくくなっていますが、実は第5文型になっています。ですから動詞makeは使役動詞として用いられており(SがOをCの状態にさせる)という意味合いになることが確定。長い文を読むときは、まずは文型に影響を与えない前置詞句などの修飾語句を無視し、すべての名詞、動詞、形容詞の役割を確定させることが大切です。
ちなみに慶応志望の方ならお分かりだと思いますが、of以下の前置詞句は全体が形容詞の働きをしており“2語以上の形容詞句は後ろから名詞を後置修飾する”のルールによって、前の名詞facets(面、側面)を修飾。前置詞句の中にある等位接続詞andは、livesとtensionsを接続しているため、everydayはそれら両方にかかっています。
となれば主節の訳は「彼らorそれらは、毎日の暮らしや緊張といった側面をより際立たせる」となるわけです。次にするべきことは代名詞であるtheyの指示内容を従属節から探し出すことですが、複数形の名詞で、かつ熟語の一部になっていないものといえばvacationsくらい。特に迷うことはないでしょう。
したがって、以下のような構成で和訳のひな形が出来あがります。

・従属節
我々は休暇を、別世界に行こう、全てから逃げ去ろう、という観点によって構成するから、

・主節
休暇は、毎日の暮らしや緊張といった側面をより際立たせる

このひな形をつないで日本語的に無理のある部分を微修正すれば、直訳の解答例が完成。それを2文に分けることで日本語として自然な表現まで直せば、模範解答としてあげた意訳例に近づくはずです。
ここまでに辿ってきた思考過程を頭の中ですべて行えば、だいたいどのような難解なセンテンスでも和訳することが可能なのです。繰り返し練習することで速度を上げれば、どんな英文読解であれ、苦労することはありません。

次の日本語を英訳しなさい

単に実験として始まったものが、すぐに主要な理論へと発展し、それに基づいて新しい発明が生まれた。

解答&詳細解説をチェック

答:
解答例1
The thing that started as just an experiment immediately developed into a major theory, and then, based on it, a new invention was born.

解答例2
What started as just a laboratory work developed into a major theory soon, and then, a new invention was born on the basis of it.

【解説】

和文英訳の場合、どの部分を節としてまとめれば良いかを考えれば、無理のない英訳ができるはずです。解答例を2つ出しましたが、これはどちらでも正解として扱われるでしょう。個人的には解答例2のほうが現代英語に即していると思いますが、これは好みの問題です。
ちなみに解答例1が現代英語に即していないと考える理由は、最後の部分に分詞構文を使用していること。分詞構文は文語的な表現であり、あまり日常的に用いられる表現ではありません。ですから“based on it,”という分詞構文よりも“on the basis of”という熟語表現のほうがスマートなのではないかと思います。ただ、これは採点に影響を与えるレベルの問題ではありませんので安心してください。
ちなみに文頭の関係代名詞で“the thing that”と“what”のどちらを選ぶかについては100%自由です。まったく同じ意味なので、どちらを用いても構いません。先行詞を書いてthe thing thatとしようが、先行詞を内包するwhatを選ぼうが文意は同じです。

傾向と対策

首都圏の私立大学でもっとも難易度の高い英語を出題する慶應義塾大学では、小手先のテクニックは一切通用しません。単純に熟語を当てはめれば答が出る問題、単語の意味さえ知っていれば何とかなる問題はほとんどゼロに等しく、英文そのものを正確に読解できているかどうかが問われます。慶應のように難解な英文を出題する学校を受けるのであれば、フィーリングで読んでいてはダメ。英文法のルールに則って理詰めで読解できるように、英語の読解方法そのものを変えていく必要があります。もし「自分はフィーリングで読める」と思っている人がいたら、次の英文を和訳してみてください。
Frank talks between young people and people who are older than their parents are often prevented from going smoothly by the thing that is called generation gap.
もし、最初のFrankが人名で主語に見えていたり、その次のtalksが動詞に見えているなら、まったく読めていません。Frank talksは形容詞+名詞で「率直な会話」という意味であり、これ自体が主節の主語、主節の動詞はpreventedです。英文法のルールが分かっていれば、こういった複雑な英文が出てきても困ることはありません。“接続語の数=文中に出てくる動詞の数−1”ですから、そのルールに則って省略された接続語の有無や、一見して動詞に見える語句がどういった役割を果たしているのかを判定し、主節と従属節を決定して文を単純化していくことができます。今の文の場合は次のようになります。
主節:Frank talks are often prevented from going smoothly by the thing~.
前置詞句:between young people and people who are older than their parents →形容詞句
従属節1:who are older than their parents →関係代名詞なので先行詞を修飾する形容詞節
従属節2:that is called generation gap →同じく関係代名詞なので形容詞節
結局、長い前置詞句にしろ、2つの従属節にしろ、すべて直前の名詞を修飾する形容詞の働きをしているに過ぎません。これが分かれば、形容詞句、形容詞節を除いた部分をまず訳し、後から対象の名詞に形容詞となる語句をかけてあげれば、正確な訳が作れるはず。よって、この英文の訳は「若い人々と、彼らの親より年上の人々との間で行われる率直な会話は、ジェネレーションギャップと呼ばれるものによって、しばしば円滑な進行を妨げられる」になります。
英文解釈に用いる英文法をマスターするのであれば、西きょうじ著『英文読解入門 基本はここだ』、薬袋善郎著『英語リーディング教本』、富田一彦著『英文読解100の原則』を順番に学習するのがオススメ。最初は苦労するかもしれませんが、マスターすればどんな複雑な英文も問題なく処理できるようになるはずです。

世界史

次の文章を読み、空欄を適切な語句で埋めなさい。

ヨーロッパ有数の長さをもつ( a )川に面しているこの都市は、多くの異民族が出会う人種のるつぼだった。北アルプス以北を中心として紀元前から発展したこの都市は、ラ=テーヌ文化を発展させたインド=ヨーロッパ語族の( b )人が定住する土地であったが、ローマの支配下に入ると交易、軍事の拠点となった。マルコンニ人と戦うために戦地へと赴いたローマ皇帝マルクス=アルレリウス=アントニヌスが没したのも、この都市である。ローマ帝国が混乱、衰退期に入るとこの地域は放棄され、あまたの異民族が侵入。( c )に率いられたフン族、ゲルマン人の一派であるロンバルド族、アジア系のアヴァール人などの支配下に入ったり、955年、( d )の戦いでようやくその勢いが止まったマジャール人の影響も受けた。
時代は大きく飛んで、現代においても、この都市は歴史の大きな転換点を間近で見ることになる。第1次世界大戦によって( e )家の帝国が解体されると、この年は第三帝国に加わることとなり、第2次世界大戦で敗北を味わうこととなった。しかしナショナリズムと戦争の時代がようやく終わりを告げると、この国は( f )年、永世中立国として独立を回復し、今でもこの都市は首都として多くの人々の生活を育んでいる。

解答&詳細解説をチェック

答:a→ドナウ b→ケルト c→アッティラ d→レヒフェルト e→ハプスブルク f→1955

【解説】

この都市がどこなのかさえ文中で述べられない上、都市名そのものを問題としていないあたりが慶應義塾大学の要求レベルを如実に表しています。
マルクス=アルレリウス=アントニヌス帝が没した土地であること、今でも国の首都であること、第2次世界大戦の敗戦国でありドイツ第三帝国の一部となっていたこと、永世中立国として独立した経緯などから、この都市がオーストリアのウィーンであることを、読み取らなければなりません。それが分かりさえすれば、あとはテーマ史関連の一問一答の知識で解答することができます。(もちろん、用語レベルは非常に高いですが…)
また、ヨーロッパに侵入した異民族については、それを撃退した国や人物、発生した戦いの名称などをまとめて覚えておくようにしましょう。ヨーロッパの地域史に関する文章が出題された場合、かなり高い確率で異民族の話題が出ています。例としてはウマイヤ朝がイベリア半島から侵入した際、メロヴィング朝フランク王国の宮宰カール=マルテルが、トゥール・ポワティエ間の戦いにこれを破り、フランク王国の領土、ひいてはヨーロッパ世界を守っています。その際、ウマイヤ朝とフランク王国の国境となったのはピレネー山脈であり、こうした地形上の障害物が事実上の境目となっているものを自然国境と呼びますね?このように、異民族の問題に関連づけて複数の歴史用語をまとめて覚えておくと知識も増えますし、自然と歴史の横のつながりも見えてくるようになります。

傾向と対策

慶應をはじめとする最難関大では、都市史や地域史が出題されることも多いので、都市&地域の歴史に焦点をしぼって学習しておくことも必要。ウィーンの他、コンスタンティノープル史、ビザンツ帝国史、ローマ史、バルカン半島史、パレスティナ史、ハプスブルク史、ユダヤ迫害の歴史などが頻出。佐藤幸夫著『フロンティア世界史』などテーマ史を重視した参考書を用い、通史の知識を別の観点からもまとめておきましょう。

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